2018年11月19日更新

高血圧で怖いのは心筋梗塞と脳梗塞

現在日本では、60歳以上の人のおよそ6割以上の人が高血圧です。
還暦記念に同窓会で60歳の人が集まると、「俺なんか、上が200を超えたこともあるぞ」と高血圧の話に花が咲くことも少なくないでしょう。
そして、「赤信号みんなで渡れば怖くない」の如く、友人や知人などに高血圧の人がいると、いつの間にか医師から説明された高血圧の怖さを忘れてしまいます。

高血圧に悩まされる男性高血圧が怖いのは、血圧の高さだけではありません。
自覚症状はなくても、血圧が高い状態が長く続くと血管はダメージを受け続けることになります。
やがて加齢も加わって、血管が硬くなる動脈硬化が進行していきます。
動脈硬化が進行していくとその先に見えるのは、心筋梗塞や脳梗塞です。

血圧が120/80mmHg未満の人が脳梗塞や脳出血やくも膜下出血などの脳卒中を発症する割合は、年間1000人当たり7.3人です。
しかし、血圧が上が180mmHgまたは下が110mmHg以上の人は、1000人当たり61.7人です。
120/80mmHg未満の人のおよそ8倍にもなっています。

脳の血管が詰まるのが脳梗塞、脳の血管が破れるのが脳出血、脳を覆っているくも膜と言う部分の下で出血するのがくも膜下出血で、この3つを総称して脳卒中と呼んでいます。
脳卒中で亡くなられた方の約6割が脳梗塞、約3割が脳出血、約1割がくも膜下出血です。
2015年に脳卒中で死亡者数は11万2000人で、がん、心臓病、肺炎に次いで日本人の死因の第4位です。
脳卒中を発症すると約1割が命を取り留めることができずに死亡に至り、約6割の人は命が助かっても要介護の状態となっているのが現状です。

心筋梗塞などの虚血性心疾患の発症も、上の血圧が180mmHgまたは下の血圧が110mmHg以上の人は、およそ5倍と報告されています。
狭心症や心筋梗塞を起こす人の7~8割は高血圧です。
冠状動脈が75%程度狭くなるのが狭心症、完全に詰まってしまうのが心筋梗塞です。

急性心筋梗塞で亡くなられた人は、平成27年の人口動態統計によると、1年間で約3万7000人です。
このように、高血圧の人は脳卒中や心筋梗塞のリスクが高くなるということを忘れずに、きちんと治療しましょう。

高血圧時に発生する合併症とは?

このように高血圧の状態が長く続くと、脳や心臓に大きなダメージを与えやすいことが判っています。
これは、血管の太さが関係します。腕や足の血管は末端に行くにつれて徐々に細くなっています。

しかし、脳や心臓の血管はそうではありません。
脳では、直径5ミリほどの血管が急に0.1ミリの細い血管になります。
心臓では、直径2.5センチの大動脈から急に直径2ミリほどの冠動脈になっています。

血管が急に細くなるので、大動脈にかかっていた圧力はそのまま細い血管にかかります。
高血圧があると、これらの細い血管に大きな負担がかかるので、血管が破れたり詰まったりして脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気を招くことになります。
また、目の血管が破れて眼底出血することもあります。
このように、高血圧は自覚症状がないので、心筋梗塞や脳梗塞や眼底出血を起こしてから慌てて本気で治療を受ける人が多いのですが、このような事態に陥る前にしっかりと治療を受けてもらいたいものです。

また、高血圧は生活習慣病です。
高血圧になりやすい生活習慣を続けていると、脂質異常症や痛風などの他の生活習慣病を合併症とするリスクも高くなります。
高血圧に脂質異常症などの他の生活習慣病を合併症として併せ持つと、心筋梗塞や脳梗塞の発症への引き金を持つことになります。

これらの発症リスクはさらに掛け算式に何倍にも何十倍にも高くなると考えておいてください。
高血圧から心筋梗塞や脳梗塞、生活習慣病から心筋梗塞や脳梗塞への引き金を引かないためには、自覚症状がなくても、高血圧をきちんと治療して血圧をコントロールすることが重要です。

友達もみんな血圧が高いのだから、自分だけではないのだから大丈夫などと、油断しないようにしましょう。
変に傷を舐めあうのではなく、こういう努力をしているよ、こういう工夫をして減塩しているよ、などの情報を交換し合うようにしてください。