2018年10月04日更新

頻尿と高血圧と腎臓の関係について

高血圧症は現代人にとって珍しくない生活習慣病です。
血管を流れる血液の圧力が過剰になることで、血管破綻や動脈硬化に引き続く、放置すれば命に関わる事態へと至りかねないものですが、腎臓が原因で高血圧になることがある、ということはご存知でしょうか。

腎臓は体内の水分量をコントロールする臓器ですが、この腎臓に対して水分や塩分を尿に排出しないように働きかけ、血液の量を増やすことで血圧を上昇させるホルモンがあります。
それがアルドステロンというホルモンであり、副腎という内分泌臓器から分泌されるこのホルモンによって、血液の量が過剰になり、また余分な水分を排出する機構が抑制されるために高血圧は持続します。
そのため、動脈硬化や塩分過多などの血圧を上げる一般的な要因なく高血圧を発症します。

このアルドステロンの作用が過剰になる要因にはまずホルモン量そのものが過剰になる、というものがあります。
腎臓で産生されるレニンというホルモンが過剰になる場合、肺で産生されるアンジオテンシンが過剰になる場合、副腎で産生されるアルドステロンが過剰になる場合のいずれにおいても高血圧を発症します。
これら関連ホルモンの中には血液検査での測定が難しいものがあり、診断までに時間がかかることもしばしばです。
中にはこれらのホルモンを勝手に生む腫瘍が影響している場合もあり、たかが高血圧と甘く見ていると背景にある重篤な疾患に気がつかないことがあります。

また、これらのホルモンを受けとる腎臓の側に問題があることもあります。
ホルモンを受けとる器官である受容体がホルモンの作用を過剰に反映してしまうことでも高血圧を引き起こします。
また、ホルモン量を関知するセンサーの機能が低下することで十分にホルモンがあっても、分泌が抑制されなくなることもあります。
ホルモンに関連した複雑な制御システムのうちのいずれかが破綻しても高血圧を引き起こしかねないことは覚えておかなくてはなりません。

糖尿病と腎臓の関係を紹介

糖尿病も腎障害との間に密接な関係を有しています。
糖尿病とは文字通り、たくさんの糖分が尿中にまで出てしまうほど高血糖が持続してしまう代謝疾患ですが、余った糖分を処理するために足りないインスリンを産生しようと、膵臓の細胞が頑張るときにアミリンというタンパク質を同時に産生することで臓器障害を来たします。

このアミリンはアミロイドという良くないタンパク質へと変性し、膵臓や腎臓に溜まって正常構造を破壊します。
腎臓の糸球体が障害されると、まずろ過機能に障害を来たします。
尿中にアルブミンという最も分子が小さいタンパクが著明になり、やがて障害が著明になるとろ過機能はさらに低下し、大きな分子のタンパクさえ尿中に流失してしまうようになります。
糖尿病に伴う腎障害にはこのアミロイドの沈着具合と密接な関係があると言えるでしょう。

ろ過機能が障害されると、原尿の濃縮還元が出来なくなるため多尿や頻尿を来たします。
頻尿は年齢を重ねた場合の膀胱障害や括約筋の障害によっても生じることがあるために、それらの関係がある複数の要因が関与していないか慎重に精査する必要があります。
また、尿量や頻尿を初期症状として自覚する方は多いものの、実際はもっと早い段階で腎障害は進行しており、初期症状を自覚したところで多くの糸球体は既にボロボロでしょう。
そのころに治療を始めても腎機能の完全な回復は見込めませんので、そうなる前の対策が重要なのです。

腎臓は決して頑丈な組織ではありませんが、血圧や造血、身体の恒常性維持にとっても重要な組織です。
年齢を重ねても元気な腎臓とともに生活するために、血圧や血糖値など複数の検査項目について少し過敏なくらいに気にすることが必要かもしれません。